ついに大蛇面が完成した

6月某日、クラウドファンディングから3か月近くが経過したこの日、
ついにコロチの顔を元に戻すための儀式の準備が整った。
まずは再び柿田面工房さんを訪れる2人。
完成した大蛇面を受け取った2人は改めて柿田さんのお話を伺った。

柿田さんによると、この大蛇面は、いくつもののパーツを組み合わせて、通常の面より大きく複雑な造形を作っているという。それゆえに、完成まで3か月半がかかっているのだ。
その工程に関しては過去の記事を参照いただきたい。

柿田さんへの取材1 ,柿田さんへの取材2,柿田さんへの取材3

お面の色は艶消しの黒、マッドブラック。これは、伝統的なものではなく、あえて漆の光沢を抑えた珍しい色だという。そう語る柿田さんの横には、色鮮やかで海を思わせるような通常とは異なる青に彩色された大蛇が置かれていた。このような新しい色合いにも、お客様の要望に応えて挑戦をしているという。

最後に2人は気になっていた2つのことを質問した。
1つは、今回の依頼をどのように感じているか、ということである。
大蛇面というインパクトがあり、ストーリーも広く知られているものを、通常の蛇胴ではなく、スーツと組み合わせることは新しい試みで楽しみだ、と柿田さんは答えた。

もう1つは、これからどのような活動をしていきたいか、という問いであった。
柿田さんは語る。
石見神楽以外の分野にも、和紙でここまでできるんだぞ、と知ってもらいたい。使ってもらいたい。

これだけの想いがこもったものだからこそ、人の心を打つのだろう。
石見神楽を鑑賞した時にその迫力に圧倒されるのだろう。
2人はそこに、未知の領域を開拓してく魂を感じた。