「有福どりっぷ」その名前の意味
リノベーションを進めつつ一方で彼らにはもう一つの課題があった。
それはお店の名前である。
彼らのプロジェクト名は「有福スタイル」である。
古来より食糧で争い、食料が満たされれば土地、土地を求めて海軍戦力や植民地、宗教や権力、財力などと様々な面での競い合いがあり、近年では核兵器、宇宙開発などの競争がありました。
そこが一定の落ち着きを見せ、それでは今後何を重要とするのか。それは付加価値と呼ばれるもの、ブランドと呼ばれるもの、信念や信条、つまりは生き方であると考える。その動きはSDGsなどの動きからも明らかである。
彼らは有福温泉のブランディングとして「有福時間」というキーワードを推していくこと、つまり、有福温泉のゆったりとした時間に、自分の好きなもの、得意なもの、自分のこだわりを掛け合わせることで有福温泉を最高に味わってもらうということを考えることが重要だと考えている。
それは「有福時間」と各々の「スタイル」を掛け合わせることであり、それを追求することが「有福スタイル」である。
この「有福スタイル」という名前には二人の思いも展望も込めてあるため、それをそのまま名づけるのも一つの手である。
しかし、お店の名前はそのお店で何を提供しているのかがわかりやすく表現されているということも重要である。
そこで二人は「有福スタイル」はあくまでプロジェクトや組織としての名称であり、お店、つまり空間としては別の名前が適当であろうと考えた。
このお店で提供したいものは「有福時間を味わえる空間」「自分のスタイルと有福時間を掛け合わせることができる時間」であり、それを演出する珈琲である。
そこで「有福どりっぷ」という案が出た。
「どりっぷ」は珈琲のペーパードリップから来ており、珈琲を連想するワードであると考えた。さらにドリップで淹れる珈琲ということは、“ゆったりと時間をかけて“抽出することであり、ゆったりとした時間も表現できるであろうと考えた。
こうしてお店は「有福どりっぷ」と名付けられた。