有福温泉の名前の由来
有福温泉の由来
有福温泉という名前は非常に魅力のある名前だと思います。
ここでは、有福温泉、その名前の由来について考えてみたいと思います。
通説
古来より名湯が湧く、福有の里。
だいたいどの資料を見ても有福温泉の由来とされる表現です。
ここで表現さていると通り、確かに有福温泉は古来より名湯が湧く場所であり、それは福有の里と言えます。
具体的には、有福温泉の歴史~発見~の記事を参照して頂きたいのですが、有福温泉は650年頃、大化の改新の直後の時期に発見されています。発見したのは、法道上人で、当時の天皇である孝徳からも信の厚かった天竺の仙人であり、その際に2つの仏像を置いて去っており、この温泉は、いかなる治療を施しても治らなかった病を癒したとも言われています。そして、今なお、こんこんと湧き続けています。
なるほど。古来より名湯が湧く、福有の里、ですね。
反説
しかし、実はこの説、何かの確証があるものではないのです。一部の方からは、当時、この地域は有福という名前の人が多く住んでいたため、有福という名前になったのだという話を聞いたことがあります。これに関しては、福有の里に住んでいたから有福という名前の人が多かったのか、有福という名前の人が多くいたから有福という名前になったのかはわかりません。(たぶん前者な気はしますが…)
とはいえ、福有の里が有福の由来であるという確たる証拠がないのも事実であります。このために、諸説生まれる状態にあると言えます。
我々が入手した資料の中で、有福温泉が登場するもっとも古い記述は、『江津の地名』のなかで、
貞応2年(1223年)の石見国惣田数注文のなかで「都農郷の内有福」という形で登場するものです。
1223年なので、鎌倉時代にあたります。
それ以前の記述は発見できておらず、いつごろから有福温泉という名前を使われ始めたのか、その由来はどのようなものなのかは不明なままです。
有福温泉という名前
これまで述べてきたことを見てわかるように、現状では、確証はないけども、素敵な感じだし、「古来より名湯が湧く、福有の里」が由来で良いじゃん?という状態であると言えます。我々は今後もこの由来に関して調査を続けていきたいと思います。そして、何か確証を得るまでは、様々な資料、HPにそう書いてあるので、「古来より名湯が湧く、福有の里」が由来ということでお願いします。実際に筋も通っているので恐らくこの説が最も有力であるのでしょうし。
とはいえ、由来がどうであろうと、この有福温泉という名前が素敵なことに変わりはないですし、他にはない魅力であると思います。由来は調査するとしても、現代では、福が有る場所として皆様に愛される場所になっているのですから。私に言えることは一つだけです。有福温泉という素敵な名前の場所があります。そこには、古くから温泉が湧き続け人々を癒し続ける福が有る町があるのです。
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松平の殿様が水戸から浜田城主に様々な家臣を連れて来てその中に商売人を何人か連れて来た一人に有田と言う名前の家臣がいて、有福と改名させ何年か後温泉の名前に使わせろと言われ、有福温泉が出来たと聞いております。